どんな消毒液を選べばいい?注意したいポイントを教えます

目次
新型コロナウィルス(以下、コビッド-19)の感染防止のため、消毒薬の需要が増えています。消毒薬にも種類があり、それぞれに含まれている成分が異なっています。人によっては、アレルギー症状を発症する場合もあるので、注意が必要です。
代表的な消毒薬と特徴を紹介します。
「ウィルス」と「細菌」の違いは?
そもそも、病気の原因となり得る「ウィルス」と「細菌」についてどのような違いがあるか確認しましょう。
「ウィルス」の代表的なものには、インフルエンザの原因となる「インフルエンザウィルス」や食中毒の原因となる「ノロウィルス」などがあります。
一方、「細菌」の代表的なものには、食中毒の原因となる「大腸菌」や「サルモネラ菌」、結核の原因となる「結核菌」というものがあります。
「ウィルス」と「細菌」大きな違いは、次の3つ。
①大きさ
②増え方
③構造
「ウィルス」と「細菌」を比較してみると以下のような違いがあるのです。
項目 | ウィルス | 細菌 |
大きさ | 小さい | 大きい
(ウィルスの100~1,000倍の大きさ) |
増え方 | ヒト、動物の細胞を利用して増える | 自ら増殖可能
(ヒト、動物の細胞は不要) |
構造 | DNAかRNAのどちらかを持つ | DNAとRNAの両方を持つ |
治療 | 抗ウィルス薬 | 抗生物質 |
私たちが普段生活する中で「ウィルス」、「細菌」とも感染予防の方法に大きな違いはありません。
それぞれの目的にあった消毒薬を選びましょう。
人体(手指、うがい等)に用いる商品の場合、イソジンや消毒用エタノールと書かれた消毒薬は、ウィルス、細菌ともに有効です。
塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシンは、細菌に対して有効と言われています。
一方、机やイス、ドアノブ、食器などの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムという成分が書かれた商品(例:ミルトン、ハイター)の使用をおすすめします。
次亜塩素酸ナトリウムを含む商品は、塩素系漂白剤と言われ、使用する際には少し注意が必要です。
商品のほとんどは使用時に薄めることとなります。
『混ぜるな危険』や「希釈の目安」、「使用の際には十分な換気を行うこと」等のという注意書きがあるので、使用前によく読んでから使って下さい。
消毒薬とアレルギー
アルコールに対し、アレルギー症状を示す方がいます。お酒を飲んだ際に、蕁麻疹、息苦しい、皮膚のかゆみ、鼻づまり等がアルコールアレルギーの代表的な症状です。
アルコールアレルギーの方は、アルコール消毒薬の代わりに「クロルヘキシジン」を用いた消毒薬をおすすめします。
皮膚に対する刺激はどちらも低く、細菌に対する殺菌力はどちらも基本的には同じです。
ただし、「クロルヘキシジン」を用いた消毒薬は、アルコールに比べ即効性が無いため、消毒してから30秒ほどは待ちましょう。
「ポビドンヨード」も、アルコールアレルギーを持つ方の代替品として使用可能です。ただし、ポビドンヨードにもアレルギー反応を示す方もいるので、使用前にはパッチテストなどを行い、使用するようにしましょう。
メタノール?エタノール??どっちを選んで、どうやって使えばいい??
「消毒用アルコールが無い!じゃあ、自分でアルコールを買ってきて作ろう」という方、アルコールを購入する時に正しいものを選んでいるか、確認してくださいね。
私たちが、ドラッグストア等で購入できるアルコールには、大きく2種類あります。
それは、「メタノール」と「エタノール」です。
消毒用に用いるのは、「エタノール」です。メタノールは、燃料として使うことを目的に販売されています。
「〇〇ノール という名前だし、価格も安いから」という理由でメタノールを消毒用に用いないで下さい。
メタノールは、『劇物』というものであり、取扱いに注意が必要です。
万が一、一定量以上を摂取してしまうと失明の危険もあるのです。アレルギーとは違った怖さがあることを覚えておきましょう。
また、エタノールを選び消毒用に使う場合もあるポイントがあります。
エタノールの濃度は、「80%前後」が消毒用に最も適しているのです。
この濃度だと、しみこんでいく速さと蒸発する時間がちょうどいいバランスなのです。
消毒薬には、効果を出すために様々な種類の成分を配合したものがあります。
使用シーンによって、また、使う方の体質などによって適切なものを選ぶことが重要です。
ウィルスや細菌による感染・汚染を恐れるあまり、作用の強いもの・体に合わないものを間違って使ってしまっては何のために使っているのかわからなくなってしまいます。
また、消毒薬を使ったからといって感染や汚染がゼロになることはありません。
ウィルス・細菌による感染を防止するには、身近なところから、また、今から始められる「こまめな手洗い・うがい」を心がけましょう。