除菌しすぎないように!アレルギーが発症しやすくなるかも!

CMでは毎日のように、除菌グッズが紹介されています。
除菌スプレー、除菌シート、除菌ウェットティッシュ・・・ 世にあふれる除菌グッズの数々は、まるで「菌は人間の敵」と言わんばかり。綺麗好きな方は、バッグの中に除菌グッズを忍ばせていることも少なくないでしょう。
しかし過剰な除菌は、むしろ人間にとって害になることがあるので要注意。除菌しすぎると、アレルギーを発症しやすくなるのです。「菌」と聞くと嫌なイメージがありますが、菌にも良い菌と悪い菌の2種類が存在します。除菌グッズを使うと良い菌まで排除されてしまうので、一概に「除菌は良いこと!」とは言えません。
人間に影響を与える菌とは
菌は大きく分けて2種類。それは、人間にとって良い菌と、人間によって悪い菌です。悪い菌なら排除するに越したことはありませんが、除菌グッズを使うと、人間にとって良い影響を与える菌まで滅してしまうことがあるのでご注意ください。
では、私たちにとって良い菌と悪い菌とは何か? それぞれについて見ていきましょう。
①良い菌
人間にとっての良い菌の例は、腸内のビフィズス菌や皮膚の常在菌などが挙げられます。
人の体は約60兆個の細胞が集まってできていますが、腸内の菌数は100兆個以上にものぼります。皮膚にも数えきれないほどの菌が共生していて、皮脂や汗を皮膚のバリア機能に欠かせない成分に変換する働きを示すなど私たちの体に良い影響を与えています。
②悪い菌
人間にとって悪い菌は、例えばノロウィルスやボツリヌス菌など食中毒につながる菌などです。
「外から帰ったら手洗いうがいをしなさい」と誰もが言われた経験があるかと思いますが、それは「悪い菌」を排除するために喚起されているのです。
少しの下痢や腹痛で済むならともかく、生死に関わるような菌も存在するので侮れません。一般的に除菌グッズは、これら「悪い菌」を排除するために世の中に必要とされてきました。
除菌のメリット・デメリットとは
「綺麗で衛生的な環境で、心地よく過ごしたい」と、誰もが願っていることでしょう。
しかし、除菌しすぎるのも考えもの。実は、綺麗すぎる環境で育った人は、免疫力が低いという研究データがあるのです。
特に赤ちゃんがいるご家庭では要注意。「良い菌」に分類される腸内細菌の数は、1歳~5歳の間に決まるといわれています。
赤ちゃんはオモチャをベロベロ舐めたり、歯でかじったりしますよね。「このままオモチャ箱に片付けるなんて汚いわ。明日も同じものを舐めるのだとしたら、余計に綺麗にしなければ」と、わざわざ除菌グッズでオモチャを綺麗にするママさんは多いですが、実はそれはNG。
子どもは小さければ小さいほど、様々なモノから細菌を体内に入れ、免疫をつける必要があるのです。
衛生的な環境で普段から使っているモノであれば、せめてサッと水拭きをするくらいで良いのです。
ママのお腹の中では、無菌状態で過ごしていた赤ちゃん。突然に雑菌だらけの世界に生まれるのですから、いろいろなオモチャを口に入れたり、泥だらけで遊ぶことで、菌に対する抗体を少しずつ体内につくっているのです。
お子さんのことを思えばこそ除菌・・・というお気持ちは分かりますが、神経質になりすぎると将来菌を跳ね返せる体がつくられないので、除菌は程々 を意識してくださいね。
なお、外でたっぷり遊んだ後は、手洗いうがいは、お忘れなく。

除菌をしすぎるとアレルギーになりやすい
日本人の「綺麗好き」は、世界でもトップクラスといわれています。
周囲が海に囲まれていて水が豊富なので、体を清潔に保つ意識が根付いているのでしょう。
しかしイギリスの学者ストラカンは、日本人の「綺麗好き」に警鐘を鳴らしています。「乳幼児期の衛生環境により、アレルギー体質になるかどうかが決まる」と、外遊びや動物との触れ合いを推奨しているのです。
外遊びや動物との触れ合いにより、様々な菌と接する機会が増え、多様な物質への免疫を獲得するため、アレルギー体質になりにくいと考えられています。
アレルギーの症状は、アトピー、喘息や鼻炎、花粉症など様々な症状となって表れます。「子どものために徹底的に除菌をする」のは確かに親心ではありますが、大事なお子さんだからこそ、「見守る」ほうが将来のためになるのです。少し体内に雑菌が入っただけで寝込むような弱い体に育てないために、どうぞ、おおらかな心で見守ってあげてください。
~まとめ~
「綺麗好き」は、日本人の国民性といっても過言ではありません。
しかし過剰に除菌グッズを多用しすぎると、体内に充分な免疫がつくられず、アレルギーを発症する原因に。
何事も、程々が一番です。菌と上手に共生しながら、強い体をつくりあげていきましょう。