食後に運動すると体調が悪くなる、もしかしたら食物アレルギーかも!?

 

子供が給食後にサッカーをしたら呼吸困難を起こして倒れてしまった。

朝ご飯の後にランニングを行ったら急に体調が悪くなった。

もしかしたら食物アレルギーが原因かもしれません。

実は食物アレルギーと運動には密接な関係があり、食後に運動を行うと症状が誘発されることがあります。

運動によって症状が誘発される食物アレルギー

食物アレルギーと聞くと多くの人は卵、小麦、そば、甲殻類などアレルギーを引き起こす食べ物を口にした後に、呼吸困難を起こしたり、蕁麻疹が現れて倒れるというような光景を思い浮かべるでしょう。

一方でアレルギーを引き起こす食べ物を口にしただけでは症状が現れず、食後に運動すると異変が現れることがあります。このような食物アレルギーを「運動誘発アナフィラキシー」と呼びます。

運動誘発アナフィラキシーとは

運動誘発アナフィラキシーは食事をしてから数時間以内に運動すると症状が引き起こされるのが特徴です。

普通に食事を摂っただけでは体に異変が起きないため、食物アレルギーが原因だと気づくのに時間がかかることがあります。

主な症状としては、呼吸困難蕁麻疹むくみ急激な血圧降下などがあります。

小学校高学年から20代までに発症することが多く、女性よりも男性に多いです。

中学生では、6,000人に1人が発症するという報告もあります。

特にサッカーやランニングなどの全身を激しく動かすスポーツを行った後に発症することが多いとされています。

どのようなメカニズムで発症するのか?

私たちが摂った食べ物はまず胃で大まかに消化されて小腸に送られます。

小腸では消化酵素が分泌されて食べ物を分解して必要な栄養素を取り出し、粘膜から吸収されます。

このときに食品に含まれるアレルギー物質も一緒に吸収されています。

運動誘発アナフィラキシーは運動によって腸が刺激されて、アレルギー物質の吸収が増えることで発症すると考えられています。

どう対処したらよいのか

 ①食後2時間以内の運動を控える

発症を防ぐ方法はとても簡単です。単純に食後の運動を控えればよいのです。食後何分経てば運動しても大丈夫なのか一概には言い切れませんが、最低食後2時間は運動を控えましょう。子供の場合は先生とよく相談して学校と情報共有を行ってください。特に給食後の休み時間と5時間目の体育は要注意です。場合によっては遊びを我慢させる必要がありますから、親子でしっかり話し合ってください。

 ②原因となる食べ物を特定する

運動によって発症すると言っても、食物アレルギーですから原因は特定の食べ物にあります。えび、かになどの甲殻類、小麦が多いとされていますが、最近では果物が原因という報告が増えています。

一度の食事ではいろんな食べ物を口にしますから、原因となる食べ物の特定は簡単ではありません。

また原因となる食べ物が分からないからと、十分な食事が摂れないと栄養不良に陥ってしまいます。

症状が頻発に現れる場合、症状が現れる前に摂った食事に共通する食べ物が含まれていないか、給食の献立表などをもとに絞り込んでいきましょう。原因となる食べ物が分かったら、運動前に食べないようにしてください。

 ③食物運動誘発試験を受ける

原因となる食べ物をだいたい絞り込んだら、次は病院で検査を受けましょう。

もしかしたら喘息などほかの疾患の可能性もあり、病院で検査を受けて食物アレルギー由来かはっきりさせる必要があります。

ただし通常のアレルギー検査では原因が分からないこともあります。

そこで「食物運動誘発試験」を受けることをおすすめします。多くは一度の検査では診断に至らず、複数回行います。詳しい検査内容については、日本アレルギー学会の認定機関に問い合わせてください。

 ④エピペンを持ち歩く

どれくらいの運動を行うと症状が現れるのかについては個人差があります。

軽い運動では症状が現れないこともあれば、食事を摂ってから時間が経って「もう大丈夫だろう」と思ったのに症状が現れることもあります。

もちろん運動しなければ症状は現れませんが、全く体を動かさないで過ごすのは難しいでしょう。

そこでもし症状が現れても慌てずに対処できるように、エピペン(自己注射製剤)を持ち歩きましょう。エピペンは子どもでも自分で打つことができますから、もしものときに安心です。

エピペンの持ち歩きを希望される場合、エピペンの取り扱い可能な医療機関へ問い合わせてください。

 ⑤重篤な場合はすぐに救急車を呼ぶ

過呼吸や肌の違和感などの予兆に気づいたときは、すぐに運動を中止して体調が落ち着くまで安静にしてください。

運動誘発アナフィラキシーは症状が進みやすく、放置すると「アナフィラキシーショック」という命に関わる重篤な症状に陥る危険があります。

症状が軽ければ抗アレルギー薬の服用して、2時間程度経過を見ましょう。

症状が重い場合はエピペンが手元にあれば打ち、速やかに救急車を呼んで病院に搬送してください。

編集部

アレルギー図鑑編集部です。
編集メンバーのほぼ全員がアレルギー保有者。花粉症や、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーによる蕁麻疹や肌荒れなど、様々なアレルギー症状に日々向き合いながら暮らしています。生活スタイルに合わせた無理のないアレルギー解決をモットーに、皆さんのアレルギー解決に役立つ情報を発信していきます。