意外と知らない大人の卵アレルギー!?

卵は、たくさんの食品に使用されており、オムライスや親子丼、卵かけご飯など、卵が主役の人気メニューは数多くあります。
卵が好きな方も、特に意識していない方も、卵料理を食べた後に、体調が悪くなった経験はありませんか?
卵アレルギーを疑ったことがなくても、もしかして、自身の卵アレルギーに、気づいていないだけかもしれません!?
卵アレルギーの特徴
卵アレルギーは、食物アレルギーの中で、全ての年齢において最も多いアレルギーとして知られています。また、卵アレルギーは、卵白においてアレルギー症状を発症する人が多いことが特徴的です。
卵アレルギーの症状
卵アレルギーは、体の一部、もしくは全身に「かゆみ、蕁麻疹、湿疹、目や口の腫れ、下痢、嘔吐湿疹、赤く腫れる」という症状が出ます。
卵アレルギーの多くの患者は、即時型アレルギーであると言われ、食後すぐ~6時間の間に、蕁麻疹、目や口の腫れ、下痢、嘔吐などを発症し、深刻になるとアナフィラキシーを起こす可能性があります。呼吸困難・低血圧・意識を失う症状が出る場合もありますので、すぐに病院で診察と治療を受けることをオススメします。
遅延型のアレルギー(症状が出るまでに、6時間~48時間程)では、「かゆみ、蕁麻疹、湿疹、倦怠感、疲れ」など、慢性的な疾患が出やすいと言われています。上記の様な慢性的な疾患でお悩みの方は、遅延型アレルギーの可能性があるので、一度、内科やアレルギー科での、アレルギー検査(血液検査)をオススメします。
卵アレルギーの原因
卵には色々なタンパク質が含まれ、特に卵白に含まれる「オボムコイド」と「オボアルブミン」というタンパク質が、主なアレルギーの原因物質(以下、アレルゲン)と考えられています。
乳児の場合、発症の原因は、消化器が未発達であることですが、大人の場合、一度出来上がった腸内環境が、質の悪い食べ物や飲み物、運動不足やストレスなどによって破壊されることです。
乳児は成長に従って腸内環境が完成され、自然に治まることが多いのですが、大人は食生活を改めない限り改善することは、ほとんどありません。
卵アレルギーの対策
マヨネーズやアイスクリーム、オムレツや茶碗蒸し、ハンバーグや揚げ物の衣、プリンやケーキ、かまぼこやウィンナーなどの加工食品や、麺類にも、卵は幅広く使用されています。
知らず知らずのうちに、卵の摂取量が増えてしまっているかもしれません。
まずは自分自身の食生活を見直してみましょう。
アレルゲンとされる「オボアルブミン」は、加熱することで形が変わり(以下、変性という)、卵アレルギーを起こしにくくなります。一方で「オボムコイド」は、加熱による変性は起こりくい性質を持っています。
つまり、生卵に近いほどアレルギーを発症しやすいことを知っておきましょう。
卵が食べられないときは、肉や魚、乳製品、大豆製品、胡麻やナッツ類など他のタンパク質で栄養を補いましょう。調理で卵を使用したくない場合は、代用品になるものを見つけておくと役立ちます。
スープなどの汁物のとろみ付けには、片栗粉や本葛粉、ハンバーグやシュウマイなどのつなぎには豆腐、マフィンなどの焼き菓子には潰したバナナなど、「卵不使用」「ベジタリアン」「ヴィーガン」などのキーワードで、検索するとレシピもヒットしやすいと思います。
子供に多いアレルギーのため、卵不使用のパンや麺類、お菓子なども増えており、昨今では容易に手に入るので、是非チェックしてみてください。
卵アレルギーで、予防接種と関係があるのは、インフルエンザと麻疹です。
インフルエンザワクチン、麻疹ワクチン、麻疹・風疹混合ワクチン(MR)の予防接種は、担当の先生に卵アレルギーであることを伝え、接種について相談しましょう。
これらワクチンに含まれる卵白の量は微量のため、症状が比較的軽い場合は接種可能なこともあります。
一方、卵アレルギーにより卵の摂取を控えている方や、卵によるアナフィラキシーを起こしたことのある方は注意が必要です。
まとめ
・ 卵アレルギーは、食物アレルギーの中で、全ての年齢において最も多いアレルギーである
・ 卵アレルギーは、多くの場合、摂取からすぐ~6時間以内に発症する即時型アレルギーである(ただし、遅延型アレルギーの場合も有り得る)
・ 即時型の場合、アナフィラキシーショックを発症する可能性がある
・ 卵白に含まれる「オボムコイド」と「オボアルブミン」というタンパク質が、最もアレルギーの原因になりやすい
・ 「オボアルブミン」は、加熱することで形が変わり、卵アレルギーが起こりにくくなる
(つまり、最も生卵が、アレルギー症状を引き起こしやすい)・ 卵アレルギー患者が、予防接種において注意が必要なのは、インフルエンザワクチン、麻疹ワクチン、麻疹・風疹混合ワクチン(MR)である