コンドームや手袋が原因なの?ゴムアレルギーとは?

「日々の仕事で忙しい中、家事、炊事、水仕事を行っていると、どうしても手が荒れてしまう。
そのため、ゴム手袋を使うようになったが、しばらくしても手荒れは治らず、更には手や肘に痒みと湿疹が現れ、朝起きると腕は掻き傷だらけ。。」
この様な経験したことはありませんか?
今回は、上記の様な、ゴムアレルギーについて、まとめました。
ゴムアレルギーの特徴
ゴムアレルギーの特徴は、2種類あり、ゴムアレルギーと、アレルギー接触性皮膚炎に分けられます。
ゴムアレルギーの症状
ゴムアレルギーは、体の一部、もしくは全身に「かゆみ、蕁麻疹、湿疹、喘息」という症状が出ます。
即時型アレルギーの場合、接触後すぐ~6時間の間に発症し、深刻になるとアナフィラキシーが起こる可能性があり、呼吸困難・低血圧・意識を失う症状が出る場合もありますので、すぐに病院で診察と治療を受けることをオススメします。
欧米では、天然ゴム製医療器具(手袋、カテーテル等)を使用している医療従事者や患者において、アナフィラキシーショックによる死亡例も報告されています。
アレルギー接触性皮膚炎は、一般的には、「かぶれ」と呼ばれるものです。
これは、遅延型アレルギーと呼ばれ、6時間~48時間程で発症し、原因がアレルギーであることに気づくのが遅れがちです。
ゴム手袋を使用する毎にかぶれる場合は、遅延型のアレルギーの可能性がありますので、一度、アレルギー検査(血液検査)をオススメします。
ゴムアレルギーの原因
ゴムアレルギーは、ゴムの白い樹液中のタンパク質が原因物質(以下、アレルゲン)となり、症状を引き起こします。
現在までに約15種のタンパク質が主要アレルゲンとして発見されています。
アレルギー接触性皮膚炎は、天然ゴムの採取時や製品の製造過程で添加された低分子量の科学物質により、引き起こされます。
ゴムアレルギーの対策
ゴムアレルギーをお持ちの方は、日上生活で使用(接触)する機会が多い、炊事用手袋、絆創膏、コンドーム、玩具などと接触しないことが大切です。
また、衣服の中でも、靴(長靴やサンダル)、下着や靴下などにもゴムが使われていることが多いため、同様に注意が必要です。
その場合、ウレタン性のゴムもありますので、そちらの素材から作られたゴム製品を選びましょう。
また、肌が荒れているとゴムに含まれている成分を吸収しやすくなるため、肌の手入れを行い、肌荒れを防ぐよう心がけましょう。
ゴムと接触する部分に傷がある場合も刺激を受けやすくなるため、注意が必要です。
また、ゴムアレルギーの原因は、植物性のタンパク質です。
そのため、多くの植物たんぱく質との共通性があり、食物アレルギーとも関連性があります。
ゴムアレルギーをお持ちの方は、バナナ、アボガド、クルミ、キウイ、栗、じゃがいも、トマトなどの食物への注意も必要です。
これは、「ラテックス-フルーツ症候群」と呼ばれ、ゴムアレルギーと同様の症状が生じることがあります。
まとめ
・ ゴム由来のアレルギー症状は、2種類あり、ゴムアレルギーとアレルギー接触性皮膚炎である
・ ゴムアレルギーの原因は、ゴムに含まれた植物性のタンパク質
・アレルギー接触性皮膚炎の原因は、低分子量の科学物質
・ゴムアレルギーを抱えている人は、特定の食物にもアレルギー症状を発症する「ラテックス-フルーツ症候群」をかかえている場合があるので注意が必要
・対策として、ゴム製品との接触を避けること、肌荒れを防ぐこと
1)参考文献:Nutter, A. F.: Br. J. Dermatol., 101, 597(1979)